見捨てないで57


統廃合対策委員会開かれる


 2月6・7日の二日間、神奈川県司法書士会館で今年初めての統廃合対策委員会が開催された。内容は98年度事業報告・99年度事業計画・東京全国研修会分科会及び委員会としての具体的活動などについてである。また、橘委員より乙号のオンライン開示システムについて、詳細な説明があった。

 このうち東京の研修会については、実行委員会が市民参加型の研修会を目指すということから、市民運動を展開しているわが委員会の方針と一致していると評価、行政のあり方・市民の行政参加ということを視点に置いた一大分科会を行う べく、準備を始めることとした。


登記所統廃合問題とは

 都会の統廃合問題と過疎地での統廃合問題は、どうリンクするのかということについて、元日司政連副会長で神奈川政連会長でもある小山先生を交えた議論が展開された。

 この中で、統廃合問題の一つは日本全国における法務局の、文字通りの適正配置問題であり、もう一つは、統廃合が必要という場合は、その方法を地域住民とどのように進めていくかという問題であるとの分析がなされた。

 全国的な適正配置の問題という点から考えれば、我々は登記所を一庁なりとも閉めるなということではなく、そもそも登記所の適正配置の基準とは何か、どのように定めるかを議論することになると言う。

 もちろんその結果例えば北海道羽幌の法務局が復活し、東京区内の法務局を半減することもあり得ることにはなろう。

 なぜならば、都会の法務局の中には不便な場所にある場合もあり、利用者から評判が悪い法務局も現実に存在する。

 そのような法務局は、利用者である市民の立場から考えると、どこかに移動するか統廃合したほうがよい場合もあり得るからである。

その結果、法務局周辺に事務所を構える司法書士については、それなりの対策を取ることになろう。ただし、法務局の統廃合よりも銀行の支店の統廃合の方が直接死活問題になるのに、そこは自助努力で、法務局の統廃合の場合に対策を打つべきというのも無理があるとの意見も出た。

 もう一つの問題である、統廃合を住民との話し合いで進めていくべきであるとの問題提起こそ、当統廃合対策委員会の検討すべき問題ということになるのであろう。これは市民の行政参加・市民に対する行政のあり方という問題につながっていく。

 吉野川の問題はまさにその典型であろう。はじめに変動河口堰反対ありきというのではなく、何が吉野川及びその周辺の住民にとってよいことなのか、ということを行政と住民がいっしょになって考えていこうということが問題になっているということである。

 吉野川の住民は、吉野川の近くに住んでいたから、吉野川の問題をきっかけに行政と住民という問題に取り組み始めた。

 

司法書士は法務局という職務上身近な役所の統廃合をきっかけとして、行政と住民の問題に関心を持つべきであり、こういう視点から、例えば東京司法書士会が、住民無視の統廃合政策について一言言うのは当然であろう。

 石川県での富来訴訟で、国側は法務局の配置は国民のためではなく、国民の利便を考える必要もないと述べている。黙っているのか!司法書士界は。


司法書士制度の崩壊は何から起こるか?

 今、不登法改正問題が緊急かつ大きな問題として注目されている。この問題は規制緩和とも連動しており、一歩間違えれば司法書士制度崩壊への序曲となりかねない。 全青司不登法委員会でも国民のための不動産登記制度・司法書士制度とは何か、ということを中心に議論を進めており、東京での登記コンピュータ化シンポジウムや全国研修会での発表が期待されている。

 しかし、この不況下で、しかも銀行の支店の急激な統廃合が進む中、司法書士制度は経済的事情から崩壊してしまうとの話もある。そういう中で、法務局の統廃合問題も実は、司法書士制度を着実に弱体化させることになりかねないことに、みなさんは気づいているのだろうか。

 法務局がなくなった地域から、やがては司法書士もいなくなる。登記の申請代理をやむを得ず行政書士や税理士が行うようになる。地方の仲間が弁護士並の裁判事務を行うのと同じだ。

 このような状況の中で、登記事務の司法書士独占という事実は崩れ、他の士業の登記事務への参入が実績となった場合、不登法改正において、司法書士が不動産登記制度を担うというべきという主張に根拠がなくなり、やがては司法書士という資格が存在する大きな理由がなくなることは必然であろう。

 人はよく、司法書士界は統廃合を駆け引きに、法務省から他の問題について、よい条件を引き出すべきだという。しかし、それは大木の根を腐らせるようなもので、やがて倒れること必定だ。


乙号オンラインについて

 乙号オンライン開示について、請求方法の具体的なイメージが知りたいと思う人も多いと思うが、インターネットでのゼンリンの住宅地図請求方法とほぼ同じだと考えていいようだ。

 ゲートウェイは民事法務協会ということになりそうだが、国民のための登記と登記情報で金儲けとは納得できないとの意見もある。