見捨てないで56


あけましておめでとうございます


統廃合対策委員長小儀晃

みなさんあけましておめでとうございます。統廃合対策委員会は昨年各地の裁判所において、裁判傍聴運動を展開しました。傍聴には多くの地域住民や司法書士・一般市民も参加しており、裁判内容を知っていただくことによって、統廃合問題の不合理性が明確になったと思います。今年も引き続き統廃合阻止活動を展開していきますので、みなさんのご支援をよろしくお願い申し上げま

す。


これが統廃合裁判だ、石川県からの報告/清水富美男

皆さん、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

さて、裁判所は私を一人寂しくイブを迎えさせるために、口頭弁論期日をクリスマスの日にあえて選んだのか、鶴来訴訟の第1回口頭弁論が昨年の12月25日に開かれました。

今回も、直前の21日に答弁書が届くという有様で、必ず勝たせてもらえると信じている!差止め請求事件のためか、本庁ではなく名古屋法務局の訟務部からの答弁書でありました。国側の主張としては訴えの要件が欠けているので当然のごとく却下を申し立てました。

即ち「出張所を廃止して、その業務を他庁へ移管することは、国、法務省、法務大臣の優れて行政上の政策的判断に基づいて行政立法行為等の行政的手段に基づいてなされるものであるから、かかる行政作用を民事上の請求により差止めを求めることはできないといわなければならない。

しかも、原告らが鶴来出張所の廃止統合により、業務移管先の他庁において登記手続をしなければならなくなるという不利益は、原告ら固有の不利益ではなく、国民すべてに等しくかかわるものに過ぎないから、原告らは、単に国民としての地位に基づいて鶴来出張所の統廃合の違法を求めているものというべきである。」というものです。

原告側代理人は、行政訴訟での差止めは勝った事例がなく、民事上の請求では勝訴事例があるので提訴したとのこと。また、登記所の統廃合自体が行政行為といえるのかどうか疑問とする意見も述べられました。ところで、次回2月26日午前10時15分から弁論続行ということになりましたが、法務省当局は本年1月18日に鶴来出張所の廃庁を通告しております。

当日はテレビ撮影もあり記者もたくさん出席していたので、記者の一人に「次回期日を定めたけれども、廃庁してしまったらお終いになるけど、中止することにしたの?」と法務省側に聞いてもらいましたところ「私どもは、代理人なので何も言えません、直接聞いてください」とのことでした。


永遠の戦い滝訴訟

全国の統廃合の情報通である清水氏によれば、富山県の岩場訴訟で有名な岩場氏が再び訴訟を提起したとのことです。経過は昨年の11月5日に岩場氏が、800円から1000円に値上げされた登記手数料に対して再度異論を述べたということです。すなわち8月5日に登記簿謄本交付請求却下処分を受け、(これも却下するかしないかで一悶着あった。)この処分の取消しを求めて提

訴したものということです。

平成10年8月3日に登記手数料800円を貼付した謄本交付申請書を富山地方法務局黒東出張所へ提出、登記官は8月5日却下しました。ところで、黒東出張所は8月10日魚津支局に統合されています。

原告は、登記手数料を改正した政令が財政法第3条及び登記円滑化法第5条に違反していると主張。また、憲法41条、83条にも違反しているので、却下処分は違法であるとしています。被告側は当然全面的に争う予定で、簡単な答弁書が5日届いたようです。

裁判の様子ですが、1月13日午前10時10分より、富山地方裁判所第1法廷で、始まりました。この法廷は、前回、600円から800円に値上げされたときの訴訟で通った懐かしい法廷ということです。

当時の月報担当者の中村さんが、裁判日程をカメラにとったところ、警備員に連れていかれた記念すべき場所だそうです。さて当時の状況を再現してみましょう。10時10分いよいよ開廷です傍聴席には支援者が一杯詰めかけて・・・というわけにもいかず原告を含めて6名でした。まあ、数の上では引き分けでした。事件名、事件番号が読み上げられ、

裁判長 「原告陳述しますか?」

原 告 「陳述させてください」

裁判長 「ん?」

原 告 「きちんと、陳述させてください」

裁判長 「短ければ」

原 告 「15分くらい」

裁判長 「5分くらいで」

というやりとりの後、岩場さんが朗読を始める。

原 告 「訴状、郵便番号939の0626富山県下新川郡入善町・・・」5分くらいたったところで裁判長「そろそろ、はしょってください」原告は、ポイントを要約して、訴状のいくつかの訂正をしながら、陳述を終えた。

その後被告が、原告に向かって被告「甲第5号証の出典を教えてください。」原告「言えれば」裁判長「証拠で出したんでしょう」原告「次回期日までに」この、甲第5号証は法務省の謄本代の無料部分の内訳を書いたもので出典も明らかですが、ここにはまだ載せられません。

後藤さんは、原告席ではなく、証人席まで出ていって陳述したのを思い出しました。(ニュース解説) さて、前回の裁判と、どこが違うのかと、お思いの諸兄がおありと思います。

まず、600円から800円であったのが、800円から1000円になった。ということです。800円と1000円は決定的に違うと言うことです。つまり、前回の裁判では800円については認容されたわけですが、1000円では、他の同様のものと比べてもとても認容されて良いというではないということです。

みなさん方の周りのお客さん、特に不動産業者や銀行員だってとても許せる金額ではないといっていると思います。つまり値上げしたこと、それも「1000円」に値上げしたことについての訴訟なのです。

もう1つ、値上げの違法性の主張ですが、今回は「憲法」を大上段に振りかざさず、値上げの根拠法を、1つずつ丁寧に解きほぐしてゆき、根拠法になっていないと主張した点が前回の訴訟の時との相違点です。脆弱な根拠の上に成り立っている、登記手数料の値上げであります。


2月の裁判日程を掲げておきます。

2月 5日 金沢地方裁判所 11時50分 富来訴訟第4回口頭弁論

2月15日 広島地方裁判所 10時30分 清水税金訴訟口頭弁論

2月17日 横浜地方裁判所 13時00分 伊勢原訴訟判決言渡し

2月26日 金沢地方裁判所 10時15分 鶴来訴訟第2回口頭弁論

(編集者注 2003年の2月ではありません。)


雪の北海道より、統廃合問題通信講座初級編をお送りします。(後藤英文)

みなさんあけましておめでとうございます。さて、新年早々統廃合問題についての基本を少しお話ししてみたいと思います。

某司法書士との電話。

「日司連理事の〇〇さんが(個人の考えとして・・・ただし日司連基本見解と同じと私は解釈している)、登記所の整理統合、コスト削減が必要だから、統廃合には賛成だといっていた。」「うへぇー理事レベルでまだそんなこといってるのがいるんだ。統廃合初級者レベルの問題じゃないか。」(この理事とは俺のことか、と自覚された方がおりましたら、気分を悪くしないでください。個人批判を目的とした文章ではなく、戦略的(?)な文章なのです。)組識の整理統合、必要です。

コスト削減も必要。だれも反対しません。問題は、法務省の視点での整理統合、コスト削減でいいのか。国民視点、利用者視点の整理統合、コスト削減か必要でないのか、ということでしょう。一つの登記所が無くなる。それによって法務省の経費が削減される。それはいい。ところが、その管轄内の地方自治体は、統合先の登記所を利用するために、新たな支出を余儀なくされる。

登記所に行くにも出張旅費がかかる。時間の遺失ロスも増える。一般利用者も同様だ。国の他の省庁や都道府県だって同様の出費を強いられる。何故かというと、法務省の登記管轄と他の省庁の行政管轄が異なることがあり、遠く離れた登記所に出向かなければならないことがある。(例えば、北海道天塩郡天塩町、遠別町、幌延町の登記管轄は旭川地方法務局稚内支局だが、北海道開発庁及び北海道の行政管轄を掌る役所は、留萌市にあるから、約190kmを通うことになる。)トータルコストで考えたらどうなるか。

私の実感では、法務省が統廃合により1億円経費を削減するのに対し、利用者は5億円から10億円の出費増を余儀なくされそうである。(感でものをいうな、というなかれ。法務省は統廃合によりいくらコストの削減がはかれるかを一切公表していない。一方、統廃合される市町村の試算としては、北海道標茶町の年間2億8000万円のコスト増というのがある。感でいうしかない。でもこの感は結構あたっているよ。)結局、登記所の統廃合というのは、法務省の経費の利用者への付け替えにすぎない。ばば抜きの論理である。

しかも、付け替えられた経費は何倍にも膨らんでいる。これが、法務省のいう「整理統合、コスト削減」の実態である。なんと身勝手な理屈ではないか。これをいかにも深刻そうに、沈痛な表情で話すわけだ。

もうひとつ、これはちゃんとしたデータ。平成7年7月、民行審答申が出された。当時、登記所の数は、1071ヶ所。それが現在では917に減少した。150を超える登記所が無くなったわけだ。ところが、法務局の職員数は、平成7年度34人増、平成8年度16人増、平成9年度7人増、平成10年になってやっと34人減少した。

150ヶ所を超える登記所が無くなっているのに、人員は増えている。また、地元側と統廃合の交渉をしている最中に、大規模な改修工事をやる、という信じられないことを平気でやっている。翌年には無くなってしまう登記所に実調車が配属されたからと車庫を新築する。将来の端末庁の触れ込みで数億円をかけて建設した新庁舎を数年のうちに廃止する。

「数年後の計画もないのか」と問う私に、法務局長氏「庁舎が古くなったら、職員の福利厚生面からも、建て直すのが当たり前。これと統廃合はまったく別の問題」と言い放った。これが法務省がいう「整理統合、コスト削減」の実態なのですよ。

数年前、日司連理事(当時)にこの話をしたら、「会館内にいたら、こうした生々しい実態はまったく見えてこない」と正直に告白されてしまった。さて、それでもあなたは統廃合に賛成ですか?「登記所の整理統合、コスト削減」と現在行われている「登記所の統廃合」が結びつくと考えますか?