見捨てないで54


後藤訴訟、土俵際での攻防戦


8月6日、札幌高裁で行われた後藤訴訟では、裁判が始まる前に非常に緊張したやりとりがあったようだ。裁判自体は前回あらゆる反論を加えると豪語していた法務省側が一転裁判終結を要望したものの、後藤氏の「新たに所有権登記名義人としての立場と地域司法書士としての立場と分けて主張しているので、その反論を」という粘り腰に裁判長も「被控訴人の準備書面にある法律上の争訟性と利益に対して反論を出すよう」求め、次回期日はマスガタ訴訟結審予定日と同じ、9月24日午前10時15分と決まった。


清水相談役!法務省へ牽制球

後閑事務局次長によれば、裁判開始前にタバコを吸っていた法務省の人間に、例によって清水氏が親しげに寄り、「もうこんなことやめたいですね」と話しかけたそうである。最初ニヤニヤしていた法務省の人間も清水氏の「まだまだでますよ」の一言に思わず「次はどこですか」と聞き返したとか、あまり罪なことはしないほうがいいのだが、真実だからしょうがない。


勘違いをしている法務省

ここで法務省だけでなく、みなさんももしかすると勘違いをしているのではないかと思われる点があるので、確認しておきたいと思います。

法務省の準備書面は、被控訴人が設置規則の改正の権限を争うことと解釈し、法律上の争訟性を否定している(準備書面引用 「控訴人は、具体的権利義務ないし法律関係を離れて、裁判所に対し抽象的に本件設置規則の改正が憲法その他の法律に適合するかしないかの判断を求めているにすぎない)が、最初から後藤さんは、あくまでも「羽幌出張所」の廃止が問題であり、それの取消を求めている、という点です。


統廃合対策委員会開かれる

8月1/2日神奈川県司法書士会館で、三重全国研修会分科会の準備を中心とする統廃合対策委員会の合宿が行われた。参加者は小儀委員長をはじめ後藤・清水・橘・川村・高橋の各委員(体重順)、後半は小山神奈川政連会長も参加、分科会だけでなく、今後の統廃合反対運動全般について、意見を交換した。

また、分科会参加者に配布する「見捨てないで 訴訟編」もすでに資料は収集されており、すぐに印刷にかかれるとのこと、この本は以後統廃合に関する行政訴訟の手引き書的位置づけとなりそうである。


統廃合反対の理由を探る(その6)「司法書士の立場」

法務局の統廃合が司法書士にどのような影響を与えるのか、それこそ大きな関心事と思っている人も多いと思います。我々の立場は法務局の統廃合に地域が反対するなら支援しましょうという立場です。

さて、司法書士の立場から法務局の統廃合を考えるとどうなのでしょうか。都会では司法書士も登記制度を利用する人も、統廃合には賛成という人が多いと思います。

それは司法書士にとっては管内の法務局に提出するような事件が少なく、また、登記制度特に乙号を利用する一般の人も、駅より遠い法務局よりも便利な所にある法務局を望むようです。新宿駅近くの会社にとっては、新宿法務局よりも竹橋の本局一局の方がなにかと便利なのでしょう。

問題をこのように考えていくと、法務局の統廃合はまさに都会と田舎では違うものだということになります。しかし、問題は民事行政を司る法務局の思想なり姿勢ではないかと思われます。

地域住民の声を無視し、強引なそして場合によっては住民を騙すことにもなるような説明を繰り返す法務局と市民のための法律家を自認する司法書士が、都会では手を結ぶなどということができるのでしょうか。 そのことは人権を叫ぶ全法務にも言えることだと思います。

司法書士は制度を維持していくためには、国民に見える形で一貫した考え、行動を取るべきです。もちろん政治的な駆け引きまで否定はしません。弁護士は自分たちの使命に忠実に行動していることを、ことあるごとに示しています。

司法書士は国民の権利の保全のためにはどういう行動をすべきなのでしょうか、法務局の問題は法務局の内輪の問題だというような姿勢でいいのでしょうか。まさか主張や行動が一貫していないことが司法書士の独自性で、弁護士との最大の相違点だなどと言うわけにはいかないでしょう。