2月4日午後1時10分より横浜地裁101号法廷で行われた伊勢原の登記所統廃合に関する訴訟は、市民が原告、訴状の作成は司法書士、そしてそれを弁護士が支援するという形式を取った。 原告側は武井弁護士がオウム事件の関係からよくテレビに出ているだけあって、終始余裕の笑顔を絶やさず明るい雰囲気を醸し出し、また野呂弁護士は派手目のむらさきの服に大きなイアリングをつけた横浜らしい雰囲気を出していたのに対し、被告法務省側は相変わらず暗い雰囲気を振りまいていた。
また被告側は、傍聴人の多さに圧倒され、廷内にいられず、廊下に待避していたという。
裁判長は威厳ある態度を取ろうとしていたが、緊張のせいか声は小さく、なにを言っているのかはわからなかった。また、傍聴席が満員御礼ということもあり、ここで武井弁護士は異例とも言える演説を行った。 内容はこの裁判が市民の声が裁判所にどこまで届くかに意義があるとともに、法務省も開かれた官庁として、登記所統廃合問題の意味を正々堂々と述べることを期待するといったもので、具体的には、この訴訟を入口論に重点を置くのではなく、最初から本案に入った弁論を展開していくつもりということらしい。
同弁護士はこの後の横浜司法書士会館での話でも、当初はそれほどの訴訟という気はしなかったが、この傍聴体制を見て心を新たにしたと若干反省めいた話も披露した。次回期日は3月23日午後1時10分より同じ場所で開かれる。 なお、伊勢原と山崎の登記所の統廃合が延期になったようだ。
1月31日及び翌2月1日にかけて、広島市内原爆ドーム近くの清水相談役の事務所で今年初めての会議と各作業が行われた。
会議の第一の議題は、秋に三重で行われる全国研修会の分科会の内容についてであった。 分科会は2日間にわたって行う予定であるが、一日目は旭川の後藤会員が自ら起こした「後藤訴訟」を通して得た、行政訴訟に関するさまざまな問題点・行政訴訟の本質などについて、体系的に講義をし、資料を残そうというものである。
後藤会員は弁護士でもあまり体験がない行政訴訟について、かなり学習をしたということで、その成果は昨年の大阪全国研修会や日司政連の「飛翔」でも一部披露されているが、今後増える可能性がある行政訴訟について、実践を通して得た知識などを集大成するとともに、行政訴訟をもっと身近なものとして捉えるきっかけにしようという試みでもある。
第二の議題は、統廃合対策委員会として今まで発行した記録としては、統廃合阻止書式精義だけであったが、全国キャラバンの記録・「後藤訴訟」などで得た統廃合に反対するための法律論など各議論を集大成したもの・これから反対運動を起こすところに対する支援として、具体的にマニュアル化したものの三部に分かれた本を刊行することになった。
この他にも統廃合問題を知らない人のための座談会や各調査とその集計に関する分担が決まった。
三重の全国研修会での発表の予行演習を兼ねた拡大委員会の開催について、現地の都合と交通機関のアクセスの問題が許せば、まだ統廃合が決まったわけではないが、支局の統廃合が懸念される、岐阜県郡上八幡で行いたいとの意見が出された。明確となっていない箇所でも、その可能性がありそうな所については、今後も予防措置として、委員会が予防接種の役割を果たすという、新しい発想が生まれることになりそうだ。
従来、統廃合対策委員会といえば、登記所のコンピュータ化に対する嫌悪感から、パソコン通信には関心がないとされていた。実際には事務所のコンピュータ化は進んでいるのであるが、どういうわけかパソコン通信をしていなかったわけである。
しかし、近年、特に統廃合対策委員会ほどパソコン通信の必要にかられる委員会はないとの強い意見も出始めた矢先、コンピュータに強い川崎委員の参加により、インターネットも含めて、この問題を解決するための体制が調った。あっという間にパソコン通信網は完備され、徹底的な秘密保持のもと、統廃合対策委員会ネット実現も夢ではなくなる。
伊勢原訴訟は市民型であるが、次回期日の決め方にも特徴が出た。裁判官の言う日に対し、武井弁護士は自分がよくても、傍聴席最前列に陣取る橘会員の了解を原告席から聞いてくるのである。これに対し、傍聴席の橘会員は口頭で答えることができないため、手で○とか×などの合図を送って期日を決めた。その間法務省側は無視されていた。なお、この手の裁判傍聴に慣れている清水相談役は「そうだ、異議なし」などのかけ声をかけていた。(川村記)
