10月21日この日約30名の傍聴人や報道陣で埋まった旭川地裁1号法廷では一瞬何が起こったのか。この日行われた羽幌登記所の統廃合に関する訴訟(後藤訴訟)は、当初却下の方向で結審との見方が強かったが、福島大学晴山教授の提出した意見書が、裁判所と国の思惑を変えてしまったようだ。
国側は当初から手帳を捲って日付の確認をするなど結審するのは諦めていたような印象を受けたが、まさに強烈な地雷を仕掛けられたという感じで、余裕が感じられた前回のときと比べると国側の法務当局者も裁判官も初めて対等というか、これは尋常ではないという態度に変わったようだ。国側は意見書に対する反論を準備するのに1ケ月半の時間的猶予を要求し、次回期日は12月16日となった。
弁護団は多くの記者を前に今回の訴訟について、現在行っていることは第一段階である法律上の争訟性の問題を突破するために、我々は法律そのものを否定しているのではなく、個々の法務局の統廃合について、その処分が妥当だったかどうかを争っていることを主張している。
第二として原告適格の問題として、司法書士の利益の侵害を主張するため原告の尋問を行うよう主張していると説明し、本案に入れば本来の統廃合に関する主張ができる、そうなれば勝つか負けるかは別として、以後国が行政処分を行うについて地域住民の理解を求めるようになり、民主的な行政が行われるようになるとして、この訴訟の重要性について語り、従来の行政訴訟では先の二点のどちらかの理由で門前払いとなるであろうが、ぜひ国は逃げないで堂々と統廃合の正当性を主張するべきだと熱っぽく語った。
また、清水相談役はこの日の出来事について「裁判官としてはここで結審をしたいとろだが、意見書が出たため自分だけで判断することを避け、国側に反論させてその反論に乗ろうということではないか」と分析した。記者の目から見ても、裁判官の態度は前と違っていたようだし、国側も傍聴の人数が増え、後藤会員には個人的関係を通じて昨年と今年の事件数を聞いて統廃合後の影響を調査するなど慎重になっているようだ。
一方2回目の傍聴となった日司政連の小林副会長は「いままでは政治運動としては住民の利益を請願陳情という形で政治家につなぎ、全青司においては大衆運動という形で地域住民の利益を代弁していたが、それが法廷闘争という形になると司法書士の利益を主張するという形にならざるを得ない事態となった。
しかし、今回の訴訟をきっかけに司法書士の不利益は地域住民の不利益だという構造になりつつあるのではないか、もしそうなっていくとすれば司法書士はこのような問題に主体的に取り組めるし、本案に入れば答申や住民説明会の問題なども取り上げることができる。司法書士が地域住民の中でどのような位置づけとなるかが明確となり意義深い訴訟だ」と感想を述べるとともに、晴山教授の意見書が出されたことを大いに評価した。なお、次があるということで既に早割りの航空券(羽田旭川間往復27.000円)を購入した人も何人かいるということで、次回はぜひ補助椅子を出させるような傍聴人の数にしたいものだ。(晴山教授の意見書ご希望の方は全青司事務局まで)
去る10月8日徳島県上板町で、法務局長らによる住民説明会が開催された。
地元で運動を支援している司法書士らによれば、約100名の住民が参加、局長の型通りの説明に対し、議会の反対決議を無視したことに対する怒りと町に迷惑しかもたらさない月1回の登記相談に関する意見、民行審答申に関する具体的な質問に局長もとうとう「ご理解を」の念仏を繰り返す事態となり、再度の説明会を約して解散となったということだ。なお、その一人は「法務局職員も、法務局を大切に思って守ろうという地域住民とともに、自分たちの職場である法務局を存続させる運動を共に行うことを念願する」と伝えてきている。
10月6日稲村会長ら4名は日司政連幹部と会談、登記手数料値上げ反対運動での共闘問題と登記所統廃合に関する協力問題について話し合った。稲村会長は登記手数料値上げ反対アピールが政連からの情報提供によって出せたことについて謝辞を述べた。
(希望者は全青司事務局までご連絡ください)
