3月24日山崎町で翌25日には佐用町で神戸地方法務局主催の住民説明会が開催された。説明会は法務省の事情説明会のごときものであったが、手ごわい局長といううわさだけあって、表情も変えず、どのような質問・意見にも淡々と答える冷徹漢という印象を受けた。しかも話し合いは平行線であり、交わることはないが、説明はいたしますということを平然と口にする恐るべき局長である。
住民側の、山崎・佐用を登記事務の市町村移管のモデルにしたらどうか、端末機を町役場に設置してほしい、なぜ竜野なのかなどの質問に対し、局長は市町村移管については、そういう考えが過去に提示されたことを認めながらも、登記は重要なものとして国が行うと明言、端末については研究中、竜野については庁舎が新築されるからとだけ答えた。さらに法務局のコンピュータ化を進め、庁舎を充実させ、統廃合によって数を整理することは、別々の政策ではあるが密接不可分なものと断言。統廃合の善し悪しは話合わない、すでに決まったことである。
一生に一度か二度しか行かないのだから我慢すべきだ。過疎化現象と統廃合は関係ない(過疎化問題よりも統廃合が優先される)。乙号は郵便でもできる。統廃合した場合の効果は数字では表せないが、増員の抑制効果があるなどと冷たく言い放った。一方、住民側からも職員の不足は法務省の問題であり、住民にその負担を押しつけるのか、民行審委員は都会の人間ばかりで地方のことは何も考えていない。登記所に出入りする一般の人の人数を把握していないで、甲号事件数のような都合のよい数字ばかりを提示している。
統廃合より代議士の数を減らしたり参議院を廃止しろ、どうして我々だけに不便を押しつけるのか、などの意見が出たが、局長の「当局としては変更はない」の一言に、なんとも言えない重苦しい雰囲気が会場内に漂った。住民側には自治労の組合員も加わったが、局長の「統合するには客観的数字(甲号事件数)で判断せざるえない」という言葉に対し、猛然と「あなた方は相談や乙号の一般申請人を切り捨てるんですね、民行審委員も小さいものを切り捨てるんですね」と詰め寄った。また、町の負担で職員一人でも置くよう嘆願する言葉もあったようだ。住民の中には、北海道旭川で提起された訴訟に興味をもつ人もいたという。全青司では清水相談役・松村委員長など広島・東京それに地元兵庫の会員も多数参加した。
広島県東城町の統廃合から約一年が経過したが、統廃合後に地元に残った司法書士の仕事ぶりについて横山委員に聞いてみたところ、以前は残業がなかったが、いまでは毎日が残業、土曜・日曜も仕事をしているが処理できない。補助者を雇用するほど事件が増えているわけでもない。登記所まで35キロあるが、体がもたない。
ロスタイムが多い。うんざりする。腰痛はひどくなり、睡眠不足が続き、処理が遅くなり、客からクレームが増え、余裕がなくなり、イライラする。ケアレスミスが増え、補正が増える。50歳を過ぎたらとてもやれない、銭金の問題ではないと語っていた。そして、FAXサービス(一般住民に対する郵便局設置のFAXサービス)は使いものにならず、もう誰も使っていない。だいいちあんなところ(郵便局のFAXコーナー)で来るか来ないか分からない返事を20分も待っていられない、日司連や法務省の言っていることはまったく話にならない。まともな定着策がないとの怒りをぶちまけた。
そして、「何年もつかなあ」と言いながら、統合後乙号が増えたこと、会や法務局の提唱する相談会は忙しくてできない(どうせ事務所に来る、拘束されるだけ無駄)、などの実態を説明、「要は我々が事務所を移動すれば住民の負担が増え、残れば我々が負担を被るということで、国はどちらでもいいんだ」と疲れた声で話しを続けてくれた。
さらに「乙号オンラインになっても、甲号オンラインにならなければ登記所に行く回数はあまり減らないと思う、ぺアでないと意味がない」とも語っていた。また、統合された地域の司法書士が統合先へ移動すれば激烈な競争が発生するのではないかとも語っていた(競争が激化すればどうなるか、都会の人は知っていますよね。はたして住民のためになるのかどうかー記者注)。統廃合後に残る司法書士はよほどの大事務所か若い人だけのようだ。(因島では廃業同然になってしまった人もいるという)。
今度の住民説明会では松村委員長が名誉の負傷をしましたが、命・骨に別状なし(但し全治一ヵ月)とのこと。一方清水氏は経済的負傷にもめげず声を出していました。松村委員長と一晩いっしょに過ごした竹村氏も英国視察が中止、無傷の人は誰?。
