見捨てないで29


登記所統廃合阻止全国市町村サミット

全青司統廃合阻止全国キャラバンの集大成として、また今後の統廃合反対運動のステップとしての位置づけとなるべく企画された全国市町村サミットは、11月26日東京の霞山会館で参加市町村38、関係者及び司法書士を含めて70名が集まり、2時間にわたって各地の反対運動の報告及び今後の方針等を協議した。

午後2時まず、全国法務局統廃合問題対策連絡協議会事務局長の村上統廃合委員の司会で始まり、続いて加藤会長の行政改革とは何か、登記所の統廃合は行政改革にどう繋がるのか疑問だといったような内容の挨拶があった。

さらに統対協代表幹事伊路見氏は挨拶の中で、統対協は登記所の廃止の通告を受けた地域の市民の団体であることを説明するとともに、地方の時代と言われる今日、登記所の統廃合は本当に行政改革なのか、数合わせや数減らしが本当に行政改革なのか、効率化だけが行政改革なのか、誰のための何のための行政改革なのか、また政策を遂行するについては地域差や個人差に配慮すべきであり、さらに公務員は高度な倫理観に基づき公正な税金の使い方を考えるべきだと行政のあり方を痛烈に批判、最後に地域に迷惑をかけることは最後のことではないかと地域住民の声を代弁した。清水副会長はキャラバンの総括として、

事件数特に一般の人々が利用する乙号の事件数の情報が公開されておらず、切り捨てるための根拠となる情報だけを出している。

法務局と自治体・住民の人々との議論をする場がない。地元の意向を無視している。衆議院法務委員会の局長答弁に関わらず、住民説明会が開催されない。反対運動の効果がなかなか上がっていないなどの現状を報告した上で、統対協の再編成、統廃合問題を全国町村会議等あらゆる機会で取り上げる(マスコミ対策を含めて)議員連盟の結成などの必要性を呼びかけた。次に堀池直前会長の司会で地域からの報告がなされた。まず陸前高田市より市長のメッセージが読み上げられ、続いてつぎのような発言が続いた。


長野県小谷村

20年前に白馬出張所に統合された。これ以上の統合はないとの約束だったのに、今度統合されると30キロはなれることになる。法務局は説明に来るといっているが司法書士・調査士だけで住民に説明はない。


大分県豊後高田市の報告。


島根県平田市

改築するので建物を探してほしいという依頼があり、動いていたら突然統合するとの話になった。


奈良県吉野町

4つの出張所を1つにするということで、しかも奈良県南部が対象の中で一番北の五条市に統合するということで反発が激しい。吉野町からでも2ないし3時間を要する。統合の理由は法務局の効率化ということなので、「我々の地域は法務局とは無縁となるのですね」と言った。東京へ持っていくのならまだ理解できるが。この地域は過疎化も進み、今度の問題でもシラケムードで、法務局は反対運動を町のメンツと司法書士の職業エゴと捉えている。


北海道標茶町

広さ的には統合されると香川県に登記所がなくなるのと同じことになる。釧路まで100キロかかる。


青森県金木町

行政改革はこういうものであってはいけない。我々の所も冬は大変吹雪く所だ小泊町から統合先まで50キロある。今の登記所は5年前に改築したばかりだ。1町1庁のところはそのままで我々のような2町3村1庁のところを統廃合するなど方法も納得いかない。我々は法務局の職員増員の要請にも町をあげて賛同してきた。


島根県平田市

行政改革は我々もやっているが、市民の立場に立つという考えでやっている。

登記事務を地方自治体に移管するという考えも検討してほしい。


兵庫県南光町

有権者の87,5%の反対署名を集めて、本日法務大臣へ関係市町村とともに会見の上手渡した。しかし、大臣も小林室長もひどい。1ケ所例外を認めると全体がダメになると言い、感情的になってしまった。国は行政改革だと言ってよくなるかもしれないが、地方の負担が増えるではないか。大きな運動にすべきだ。益々怒りが高まる。


各地域の報告が続くなかで、堀池直前は国は法務局の問題だといい、法務局は上からの方針だと互いにサジを投げていると発言、全国的な繋がりの必要性を強調。また伊路見氏は民行審委員の選出についてもっと考える必要がある。現在の反対運動は司法書士が主力となっていることが多いが、この問題は民間団体が取り組むべき問題だ。受益を受けるのは住民と自治体だ。司法書士は登記所が遠くにいってもそのデメリットは報酬になるのだから、損得にあまり関係がない。報道関係が1つも取り上げてくれないのも問題だと発言した。


熊本県高森町

3月24日統合する旨の通知があった。サミットに参加するなどして色々な意見を聞いてと言ったところ、そういうことはしてくれるなと言われた。住民の負担が大きく、強く反発した。統合後のフォロー等の状況も知りたい。


和歌山県すさみ町からの報告。


静岡県伊東市

事件数は伊東市2万件、熱海市9千件だが熱海市に統合されるとの話が出ている。民行審答申では登記所の設置基準が1日で往復となっているが、明治と今をいっしょにするのはおかしい。1日3ないし4往復できるような所に設置すべきだ。住民はあまり利用しないというが、司法書士に依頼すれば日当もかかり負担は多くなる。

以上のような発言が相次いだ後、改めて統対協の再編成をお願いしたところ、金木町町長よりおおいにやるべきだ、経費は心配するなとの話があった。最後にアピールを採択し、松村統廃合委員長の挨拶で無事終了した。当日は司法書士も北海道・青森県など全国から参加、政治連盟からも多数の参加者があつた。しかし、東京で行った狙いの一つであるマスコミからは法律新聞一社のみの参加であった。各市町村とも陳情などで忙しい中での会議への参加お疲れさまでした。


キャラバン番外編

先日「さよならニッポン」というビデオを借りてきたところ、これが大変おもしろい。沖縄県のある島が台風で大きな被害にあったにも関わらず、救援物資も後回し、首相も立ち寄らないどころか激励の言葉もない、それまでも随分中央からは勝手なことをされたというので、とうとう頭に来て独立するというストーリーなのです。あまり中央が勝手なことをしていると、そのうち自分のところで国の行政機関に代わる行政機関を造ったり、独立する自治体も出てくるかもしれませんねえ。(川村記)